こんにちは、グリンプス•リクルートメント代表の岡です。
当ウェブサイトをご覧いただき、ありがとうございます。
オーストラリアと日本では、正社員やアルバイトなどの雇用形態や有給などの条件に何か違いはありますか?
今日はこんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- オーストラリアの代表的な4つの雇用形態
- 有給休暇に関するオーストラリアと日本の違い
- 日本と違うオーストラリアの雇用に関する特徴4つ(給与、交通費や家賃補助、産休•育休、年金)
本記事の信頼性
お仕事の紹介のみならず、オーストラリアでワーキングホリデー、留学、就職を経験し、自力で永住権を取得した現役リクルーターによる「なりたい自分」になるためのキャリアカウンセリングにご好評いただいています。
カウンセリングや人材登録の際にもご質問いただくことが多い、オーストラリアと日本での雇用形態の違い。
私はオーストラリアで生活をし始めて15年以上経ちますが、オーストラリアは自分がやりたい仕事をやりやすい、挑戦しやすい、生きやすい社会を実現している数少ない国だと実感しています。
今回は、雇用形態という点から日本との違いを解説しながら、オーストラリアで就職した場合どのように働いていくのか、より具体的にイメージがしやすいように詳しくご説明していきたいと思います。
目次
オーストラリアの代表的な4つの雇用形態
オーストラリアでは大きく分けて下記の4つの雇用形態があります。
- Permanent(正社員)
- Temporary(派遣)
- Contract(契約社員)
- Casual(アルバイト)
これに加えて、働く時間によってFull-time(週38時間)とPart-time(週20~30時間程度の勤務)に分けられます。
例えば、
- 正社員だけど週25時間勤務のAさん→Part-time Permanent
- アルバイトだけど週38時間勤務のBさん→Full-time Casual
と呼ばれます。
正社員で週38時間勤務のFull-time Permanentに関しては、「Full-time」とだけに略すこともありますが、この「Full-time」は労働時間だけを言及していることもありえます。
そのため「Full-time」と書いてあったから、正社員採用だと思っていたら、実は雇用形態はCasual(アルバイト)だった!なんて行き違いが生じることも。
オーストラリアは何事においても契約社会。
雇用に関しても雇用契約書(Employment Contract)に全ての条件が明記され、それに雇用主、被雇用者の双方が署名をして契約成立、となります。
先のような行き違いや誤解が生じることのないように、しっかりと契約書の中身を確認しましょう。
有給休暇に関するオーストラリアと日本の違い
正社員になると年10日の病欠(家族の看病などもOK)、年20日の有給休暇が一般的に付与されます。
有給は消えることなく、現金への還元も可能です。
例えば会社を辞める際に有給が残っていて、消化するのではなく買取を希望する場合には、最後の給与と一緒にお支払いされます。
有給は取りやすく、使われないと会計上、負債扱いとなるため、会社も消化を推奨します。
そのため、例えばクリスマスやイースターなど、オーストラリアで大きなイベントのシーズンや、お子さんの学校のお休み期間(スクールホリデー)に合わせて3,4週間の長期休暇を取る、ということは広く一般的に行われています。
また、一つの会社に長期で勤続することでLong Service Leaveという有給休暇を取得することができます。
これは各州によって細かな条件が異なりますが、パースのある西オーストラリア州を例に挙げると、10年間の勤続で約8週間の有給休暇を取得できます(条件あり)。
正社員じゃないと、有給は付かないんですか?
例えば派遣や契約社員の場合には、雇用主と相談することで有給が付く場合もあります。
また、先に触れたLong Service Leaveも各州によって条件は異なるものの、西オーストラリア州では雇用形態を問わず対象となりえますが、これも契約書によります。
日本と違うオーストラリアの雇用に関する特徴4つ
ここからは日本との違いに着目しながら、オーストラリアならではの雇用に関する特徴を4つ説明していきたいと思います。
①給与について
給与に関してですが、実は時給だけで見るとPermanent(正社員)よりCasual(アルバイト)の方がいい、ということがよくあります。
日本でも最近、「派遣の方が給与がいいから派遣に切り替える」なんて話も聞きますが、それと似ています。
Casual(アルバイト)は雇用における保証が弱い分、オーストラリアでは「Casual Loading(カジュアル・ローディング)」と呼ばれる、25%の給与上乗せが義務付けられています。
そのため、オーストラリアではフリーターで日本円で年収400万円程度稼ぐ人はかなりいます。
また別の話になりますが、給与に関連して、お支払いのタイミングが日本と違う、と感じる方は多くいらっしゃいます。
正社員採用の場合は、日本と同様に月払いのことが多いですが、特にCasual(アルバイト)の場合には、1〜2週間に一度のお支払いのスケジュールが多いです。
②交通費や家賃補助などのサポートについて
オーストラリアでは交通費が支給されるケースはあまりない、と考えてもらえると良いでしょう。
もちろん、車を使って地域を移動する必要がある仕事の場合は、社用車が支給されることがほとんどです。
家賃補助があるケースも少ないですが、例えば会社都合でオーストラリア国内を、州をまたいで移動、引越しする必要がある、という場合には、引越し費用や新しい家を見つけるまでの数日間のホテル滞在費用を会社側が負担してくれる、ということはよくあります。
しかし、これも最終的には雇用主との相談、雇用契約によって異なります。
③産休•育休について
オーストラリアではParental Leaveというカテゴリーの中に産休•育休が含まれています。
細かな条件がありますが、大まかには、雇用形態によらず、一つの会社で12ヶ月以上仕事をしている場合、出産前後から最長12カ月間の休暇(無給)を取得することができます(延長も可能)。
Parental Leaveを取得する場合、雇用主側は、被雇用者に休暇前まで従事していた仕事•ポジションを確保する=被雇用者が休暇後に同じ仕事に戻れる状態にすることが義務付けられています。
④年金について
オーストラリアで日本の年金に相当するものは「Superannuation (通称スーパー)」と呼ばれています。
日本との大きな違いは、オーストラリアでは雇用主側が被雇用者に対して、給与に上乗せしてスーパーのお支払いをする、と言う点です。
被雇用者=将来の年金受給者自身が積み立てをするのではなく、雇用主が積み立てるんですね。
2021年7月の時点で、スーパーは給与の10%分に相当する額を積み立てるように、雇用主側に義務付けられています。
(勤務先によってはこの率が10%以上の場合もあります)
被雇用者は雇用形態によらず、必ずSuperannuation Fund(スーパーを管理する団体)に加入して、スーパーの積み立てができるように準備する必要があります。
このスーパーを管理する団体は複数あるので、被雇用者自身が自由に選択することができます。
(雇用主が加入をサポートしてくれる場合もあります)
オーストラリアは被雇用者をサポートする制度がたくさんある
今回はオーストラリアと日本の雇用形態の違いをまとめました。
先に触れた年金や産休•育休などの例を見ても分かるように、オーストラリアでは被雇用者をサポートする制度が整っています。
こういった点が、オーストラリアは働きやすい、暮らしやすい、と言われる大きな理由の一つになっています。
なお、今回お伝えした内容はあくまでも一般的な内容で、オーストラリアでは州ごとにルールが違うことも多々あり、また個々の雇用契約によって、どんな条件がありサポートが付くか、が変わってきます。
そのため、今回ご紹介した内容が当てはまらないこともありますし、この記事では紹介しきれなかったことも契約内に含まれていることがあります。
ご自身の雇用に関する情報は、雇用主にきちんと確認を取りながら、雇用契約書を確認してみてくださいね。
グリンプス•リクルートメントでは、一対一のキャリアカウンセリングを通して、あなたにぴったり合う就職実現へ向けてのアドバイスもご提供させていただいているので、お気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!